香典返しとは?感謝の気持ちを伝える大切な習慣
大切な方を亡くされた際、多くの方から温かいお心遣いとして香典をいただきます。その感謝の気持ちを形にしてお返しするのが「香典返し」です。これは単なる返礼品ではなく、故人への弔意と、ご遺族の感謝の気持ちを伝える大切な習慣です。
香典返しの意味と目的
香典返しは、香典をいただいた方々へ、葬儀が無事に滞りなく終わったことを報告し、故人への弔意とご遺族への心遣いに対する感謝の気持ちを伝えることが主な目的です。また、香典によって故人の供養に協力していただいたことへの返礼という意味合いも持ちます。
香典返しの時期|いつまでに贈るべき?
香典返しを贈る時期は、宗派によって多少異なりますが、一般的には忌明け(きあけ)を目安とします。
- 仏式: 四十九日法要を終えた後、一ヶ月以内が目安です。故人の魂が成仏し、忌明けとなる時期とされています。
- 神式: 五十日祭を終えた後、一ヶ月以内が目安です。
- キリスト教式: 追悼ミサや記念式典を終えた後、一ヶ月以内が目安です。
地域や慣習によって、葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し」の形式もあります。
香典返しの相場|いくらくらいが適切?
香典返しの金額は、いただいた香典の半額(半返し)が一般的な相場とされています。ただし、高額な香典をいただいた場合や、少額の香典の場合は、この限りではありません。
- 半返し: いただいた香典の金額の半分程度の品物を選ぶ。
- 三分の一返し: 高額な香典をいただいた場合など、三分の一程度の品物を選ぶこともあります。
- 当日返し: 一律2,000円~3,000円程度の品物を準備し、香典の金額に関わらず当日渡す形式。後日改めて、高額な香典をいただいた方には差額分を贈ることもあります。
香典返しの品物選び|贈って喜ばれる選び方とタブー
香典返しの品物選びは、贈る相手への配慮が大切です。故人を偲び、感謝の気持ちが伝わる品物を選びましょう。
「消えもの」が基本|なぜ消耗品が良いのか?
香典返しでは、「不幸を後に残さない」という意味合いから、「消えもの」と呼ばれる消耗品を選ぶのが一般的です。
- お茶、コーヒー、お菓子などの食品
- 洗剤、石鹸、タオルなどの日用品
これらは、使えばなくなるため、相手に負担をかけず、気軽に受け取ってもらえるというメリットがあります。
人気の品物例|カタログギフト、お茶、お菓子など
- カタログギフト: 相手が自由に品物を選べるため、好みが分からなくても安心です。幅広い価格帯があり、人気が高いです。
- お茶・コーヒー: 日常的に消費されるもので、弔事の返礼品として定番です。
- お菓子: 個包装で日持ちするものが喜ばれます。故人が好きだったお菓子を選ぶのも良いでしょう。
- タオル: 消耗品であり、実用性が高いため、香典返しによく選ばれます。
避けるべき品物|タブーとされるもの
香典返しには、避けるべき品物もあります。
- 肉や魚などの生もの: 殺生を連想させるため、タブーとされています。
- お酒: お祝い事を連想させるため、避けるのが一般的です。
- 商品券や金券: 金額が直接的に分かってしまうため、失礼にあたると考える人もいます。
- 慶事に使われるもの: 昆布や鰹節など、お祝い事に使われる縁起物は避けましょう。
品物選びのポイント|相手への配慮
品物を選ぶ際は、相手の年齢層、家族構成、好みなどを考慮すると、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。また、持ち運びしやすい重さや大きさであることも大切です。
お礼状の書き方|香典返しに添える心のこもったメッセージ
香典返しには、感謝の気持ちを伝えるお礼状を添えるのがマナーです。心のこもったメッセージで、故人への弔意とご遺族への心遣いに感謝を伝えましょう。
お礼状の基本構成とマナー
お礼状は、以下の基本構成で書きます。
- 頭語と時候の挨拶: 「拝啓」から始まり、季節の挨拶を簡潔に述べます。
- 香典へのお礼: 香典をいただいたことへの感謝を伝えます。
- 葬儀が無事に終わったことの報告: 故人の葬儀が滞りなく執り行われたことを報告します。
- 略儀での挨拶のお詫び: 本来であれば直接お伺いすべきところを、書面での挨拶になったことへのお詫びを述べます。
- 香典返しを送ったことの報告: 別便で香典返しを送ったことを伝えます。
- 結びの言葉: 相手の健康や多幸を祈る言葉で締めくくります。
- 日付、差出人(喪主の氏名)、敬具: 日付は忌明けの日付を、差出人は喪主の氏名を記載し、「敬具」で結びます。
句読点を使用しないのが正式なマナーとされています。
メッセージの例文と避けるべき表現
- 例文:
拝啓時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先般 亡父〇〇の葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬賜りまたご丁重なるご香典を賜り厚く御礼申し上げます
おかげさまで葬儀も滞りなく執り行うことができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお贈りいたしましたので何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来ならば拝眉の上御礼申し上げるべきところ略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
まずは書中にて御礼旁々ご挨拶申し上げます
敬具令和〇年〇月〇日〇〇(喪主の氏名) - 避けるべき表現:
- 「重ね重ね」「度々」など、不幸が重なることを連想させる忌み言葉。
- 「死亡」「死去」など、直接的な表現。
- 「お忙しいところ」など、慶事の挨拶で使う言葉。
手書きと印刷、どちらが良い?
基本的には、手書きのお礼状がより丁寧で、感謝の気持ちが伝わりやすいとされています。しかし、香典をいただいた人数が多い場合や、ご遺族の負担が大きい場合は、印刷でも問題ありません。その場合でも、一言手書きでメッセージを添えると、より心のこもったお礼状になります。
香典返し・お礼状に関するよくある質問
香典返しとお礼状について、よくある疑問とその回答をまとめました。
Q1: 香典を辞退した場合、香典返しは必要?
A1: 事前に香典を辞退する旨を伝えていた場合は、基本的に香典返しは不要です。ただし、それでも香典をいただいた場合は、改めてお礼状を送り、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。品物を贈る場合は、半返しにこだわらず、気持ち程度の品物でも構いません。
Q2: 高額な香典をいただいた場合、どうすればいい?
A2: 高額な香典をいただいた場合は、半返しにこだわらず、三分の一程度の品物でお返ししても問題ありません。大切なのは、感謝の気持ちを伝えることです。また、お礼状に感謝の言葉をより丁寧に記載するなど、心遣いを伝える工夫をしましょう。
Q3: 会社関係者への香典返しは?
A3: 会社名義で香典をいただいた場合は、香典返しは不要です。福利厚生の一環として扱われることが多いためです。ただし、個人的にいただいた場合は、一般的な香典返しのマナーに沿って対応しましょう。会社によっては、香典返しに関する規定がある場合もあるので、事前に確認すると安心です。
Q4: 香典返しが不要と言われたら?
A4: 香典返しが不要と明確に伝えられた場合は、その意向を尊重し、無理に贈る必要はありません。その代わり、後日改めてお礼状を送り、感謝の気持ちを丁寧に伝えるようにしましょう。
