葬儀費用を軽減!「埋葬料」「葬祭費」の申請手順と必要書類をわかりやすく解説

葬儀費用を軽減!「埋葬料」「葬祭費」 葬儀・葬式の基礎知識

故人が加入していた保険で変わる?知っておきたい給付金制度のすべて

「埋葬料」「葬祭費」って何?葬儀費用を助ける公的制度の基本

人生において、大切な人との別れは突然訪れることがあります。その時、悲しみに暮れる中で、葬儀の準備と同時に「費用」の心配が頭をよぎる方も少なくありません。実は、故人が加入していた健康保険の種類によって、葬儀費用の一部を助けてくれる公的給付金制度があるのをご存知でしょうか?それが「埋葬料(まいそうりょう)」と「葬祭費(そうさいひ)」です。これらの制度を知っているか知らないかで、葬儀後の経済的負担が大きく変わる可能性があります。

もしもの時に知っておきたい!公的給付金の種類と対象者

故人が亡くなった際、残された家族が申請できる公的な給付金は、主に以下の2種類があります。

  • 埋葬料: 故人が会社員や公務員などで「健康保険」または「共済組合」に加入していた場合に支給されます。
  • 葬祭費: 故人が自営業者や年金受給者などで「国民健康保険」または「後期高齢者医療制度」に加入していた場合に支給されます。

これらの給付金は、葬儀費用の一部を補助してくれる大切な制度です。申請には期限や必要書類がありますので、事前にしっかり把握しておくことが重要になります。

「埋葬料」と「葬祭費」の違いを明確に理解しよう

「埋葬料」と「葬祭費」は、どちらも葬儀費用を補助する目的の給付金ですが、その名称が異なるのは、故人が加入していた健康保険の種類が違うためです。

  • 埋葬料: 主に被用者保険(会社員が加入する健康保険組合や協会けんぽ、公務員が加入する共済組合など)から支給されます。被保険者本人だけでなく、被扶養者が亡くなった場合にも支給対象となることがあります。
  • 葬祭費: 主に地域保険(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)から支給されます。これらの保険は、自営業者や年金受給者など、被用者保険に加入していない方が対象となります。

支給される金額や申請窓口、必要書類に若干の違いはありますが、根底にあるのは「葬儀費用の一部を支援する」という共通の目的です。

健康保険からの「埋葬料」:申請方法と必要書類を完全ガイド

故人が会社員や公務員だった場合、その健康保険組合や協会けんぽ、共済組合から「埋葬料」が支給されます。ここでは、埋葬料の申請について詳しく見ていきましょう。

どんな時に申請できる?支給条件と金額

埋葬料は、以下のいずれかの条件を満たす場合に申請できます。

  • 健康保険の被保険者本人が亡くなった場合
  • 健康保険の被扶養者(被保険者に扶養されていた家族)が亡くなった場合

支給される金額は、一律5万円が基本です。ただし、健康保険組合によっては、付加給付として上乗せされる場合もありますので、故人が加入していた健康保険組合に確認することをおすすめします。

申請は誰がする?申請者と受取人

埋葬料の申請は、故人によって生計を維持されていた遺族が行います。これは必ずしも喪主である必要はなく、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹など、故人の収入で生活していた方が対象となります。

受取人も原則として申請者と同じく、故人によって生計を維持されていた遺族となります。

【ステップバイステップ】埋葬料の申請手順

埋葬料の申請は、以下の手順で進めます。

  1. 故人が加入していた健康保険組合・協会けんぽ・共済組合に連絡: まずは、故人がどの健康保険に加入していたかを確認し、申請書類の取り寄せや手続きの詳細について問い合わせます。
  2. 必要書類の準備: 後述する「必要書類リスト」を参考に、必要な書類を揃えます。
  3. 申請書の記入: 郵送されてきた申請書に必要事項を記入します。
  4. 申請書類の提出: 記入済みの申請書と必要書類を、故人が加入していた健康保険の窓口へ提出します(郵送が一般的です)。

これだけは揃えよう!埋葬料の必要書類リスト

埋葬料の申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  • 健康保険埋葬料支給申請書: 故人が加入していた健康保険から取り寄せます。
  • 死亡を証明する書類: 死亡診断書(死体検案書)のコピー、または火葬許可証(埋葬許可証)のコピー。
  • 埋葬に要した費用の領収書: 葬儀社からの領収書など、埋葬に実際にかかった費用がわかる書類。コピーでも可。
  • 申請者の本人確認書類: 運転免許証やマイナンバーカードのコピーなど。
  • 申請者の口座情報: 振込先の金融機関名、支店名、口座番号がわかるもの。

※健康保険の種類や状況により、上記以外にも書類が必要になる場合がありますので、必ず事前に確認しましょう。

申請から支給までの期間と注意点

申請書類を提出してから埋葬料が支給されるまでの期間は、通常1週間~1ヶ月程度が目安です。

注意点:

  • 申請期限: 埋葬料の申請期限は、死亡日の翌日から2年です。この期間を過ぎると申請できなくなりますので、早めに手続きを行いましょう。
  • 埋葬費: 埋葬料の支給対象となる遺族がいない場合でも、実際に埋葬を行った人(友人など)が、埋葬にかかった費用(上限5万円)の範囲内で「埋葬費」を申請できる制度もあります。

国民健康保険からの「葬祭費」:申請方法と必要書類を完全ガイド

故人が自営業者や年金受給者などで国民健康保険に加入していた場合、その市区町村から「葬祭費」が支給されます。ここでは、葬祭費の申請について詳しく見ていきましょう。

どんな時に申請できる?支給条件と金額

葬祭費は、以下のいずれかの条件を満たす場合に申請できます。

  • 国民健康保険の被保険者が亡くなった場合
  • 後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合

支給される金額は、市区町村によって異なりますが、3万円~7万円程度が一般的です。具体的な金額は、故人が住民登録をしていた市区町村の役所の国民健康保険担当窓口に確認が必要です。

申請は誰がする?申請者と受取人

葬祭費の申請は、実際に葬儀を行った喪主が行います。

受取人も原則として申請者(喪主)となります。

【ステップバイステップ】葬祭費の申請手順

葬祭費の申請は、以下の手順で進めます。

  1. 故人が住民登録をしていた市区町村の役所に連絡: 故人が加入していた国民健康保険の担当窓口に連絡し、申請書類の取り寄せや手続きの詳細について問い合わせます。
  2. 必要書類の準備: 後述する「必要書類リスト」を参考に、必要な書類を揃えます。
  3. 申請書の記入: 役所から郵送されてきた申請書、または窓口で受け取った申請書に必要事項を記入します。
  4. 申請書類の提出: 記入済みの申請書と必要書類を、故人が住民登録をしていた市区町村の国民健康保険担当窓口へ提出します(郵送または窓口持参)。

これだけは揃えよう!葬祭費の必要書類リスト

葬祭費の申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  • 葬祭費支給申請書: 故人が住民登録をしていた市区町村から取り寄せます。
  • 死亡を証明する書類: 死亡診断書(死体検案書)のコピー、または火葬許可証(埋葬許可証)のコピー。
  • 葬儀を行ったことを証明する書類: 葬儀社の領収書(喪主の氏名が記載されているもの)、または会葬御礼のハガキなど。
  • 申請者(喪主)の本人確認書類: 運転免許証やマイナンバーカードのコピーなど。
  • 申請者(喪主)の口座情報: 振込先の金融機関名、支店名、口座番号がわかるもの。

※市区町村によって必要書類が異なる場合がありますので、必ず事前に確認しましょう。

申請から支給までの期間と注意点

申請書類を提出してから葬祭費が支給されるまでの期間は、通常1週間~1ヶ月程度が目安です。

注意点:

  • 申請期限: 葬祭費の申請期限は、葬儀を行った日の翌日から2年です。この期間を過ぎると申請できなくなりますので、早めに手続きを行いましょう。
  • 喪主以外が申請する場合: やむを得ない事情で喪主以外の方が葬儀費用を支払った場合、その方が申請できるケースもあります。事前に市区町村の窓口に相談しましょう。

申請をスムーズに進めるためのQ&Aとよくある疑問

「埋葬料」や「葬祭費」の申請に関して、よくある疑問とその回答をまとめました。

Q1. 申請期限を過ぎてしまったら?

A. 埋葬料も葬祭費も、申請期限は死亡日(または葬儀を行った日)の翌日から2年です。この期間を過ぎてしまうと、原則として申請はできなくなります。特別な事情がある場合は、各窓口に相談してみる価値はありますが、基本的には期限内の申請を心がけましょう。

Q2. 葬儀を行わない「直葬」の場合でも申請できる?

A. はい、直葬(火葬式)の場合でも申請は可能です。「埋葬料」も「葬祭費」も、葬儀の形式を問いません。故人の火葬が行われたことを証明する書類(火葬許可証など)と、火葬にかかった費用がわかる領収書があれば申請できます。ただし、自治体によっては「葬儀を行ったこと」を証明する書類として、葬儀社からの領収書(喪主の氏名が記載されているもの)が必要な場合が多いので、直葬の場合でも領収書は必ず保管しておきましょう。

Q3. 故人が複数の保険に加入していたら?

A. 故人が複数の健康保険に加入していたという状況は通常ありません。ただし、会社員と国民健康保険の切り替え時期や、後期高齢者医療制度への移行時期など、保険の適用期間が重なるような特殊なケースでは、どちらの保険が適用されるか確認が必要になる場合があります。基本的には、亡くなった時点で加入していた保険が適用されます。不明な場合は、両方の窓口に問い合わせて確認しましょう。

Q4. 申請代行はできる?

A. はい、可能です。葬儀社が申請手続きを代行してくれるケースが多くあります。また、行政書士などの専門家が代行することも可能です。ただし、代行を依頼する場合は、別途手数料が発生しますので、事前に確認しましょう。ご自身で手続きを行うのが難しい場合は、無理せず代行サービスを利用するのも一つの手です。

まとめ:知っていると安心!葬儀後の費用負担を軽減するために

「葬儀費用が払えない」という不安は、多くの方が抱える深刻な問題です。しかし、故人が加入していた健康保険の種類によって、「埋葬料」や「葬祭費」といった公的給付金が支給される制度があることを、この記事でご理解いただけたでしょうか。

これらの制度は、葬儀後の経済的負担を軽減し、遺族が故人を心穏やかに見送るための大切なサポートとなります。申請には期限や必要書類がありますが、事前に知識を持っていれば、慌てることなくスムーズに手続きを進めることができます。

「もしも」の時に備え、この記事があなたの不安を解消し、安心して故人を見送るための一助となれば幸いです。