「もしも」の時に慌てない!葬儀の全体像を理解
人生において、大切な人との別れは突然訪れることがあります。その時、悲しみに暮れる中で、葬儀の準備や手続きに追われるのは、精神的にも大きな負担となります。「お葬式って、一体何をするんだろう?」「どんな流れで進むの?」と、不安や疑問を感じるのは当然のことです。しかし、事前に葬儀の基本的な流れを知っておくことで、心にゆとりを持ち、故人を穏やかに見送る準備ができます。
葬儀の流れを知るメリット
- 不安の軽減: 何が起こるか分からないという漠然とした不安が解消されます。
- 冷静な判断: 事前に知識があれば、いざという時にも落ち着いて、故人の意思や家族の希望に沿った選択ができます。
- 家族の負担軽減: 葬儀社との打ち合わせもスムーズに進み、残された家族の精神的・時間的負担を減らすことができます。
- 後悔のないお見送り: 故人との最後の時間を大切にし、心ゆくまでお別れをするための準備が整います。
この記事でわかること
この記事では、ご逝去から火葬、そして骨上げ(収骨)までの一般的な葬儀の「基本の流れ」を、時系列で分かりやすく解説します。また、それぞれのステップでよく使われる専門用語も併せてご紹介し、あなたの疑問を解消します。
【時系列解説】ご逝去から骨上げまでの葬儀の基本の流れ
ここでは、一般的な仏式葬儀を例に、故人が亡くなられてから火葬、そして骨上げまでの流れをステップごとに見ていきましょう。
STEP1:ご逝去~ご安置(臨終から葬儀社への連絡まで)
故人が亡くなられてから、まず最初に行われるのが「ご安置(ごあんち)」です。この段階で、葬儀社との最初の接点を持つことになります。
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ご逝去の確認と死亡診断書
病院で亡くなられた場合、医師による死亡確認が行われ、「死亡診断書」が発行されます。これは、火葬や埋葬、役所への届出に必要となる非常に重要な書類です。
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葬儀社への連絡と搬送
医師から死亡が告げられたら、速やかに葬儀社に連絡します。故人を病院から自宅へ搬送するか、または葬儀社の安置施設へ搬送するかを決めます。この時、複数の葬儀社に連絡し、概算費用やサービス内容を確認することも可能です。
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ご安置と枕飾り
故人を自宅や葬儀社の安置施設に運び、安置します。この際、故人の枕元に「枕飾り(まくらかざり)」を設けるのが一般的です。これは、故人の冥福を祈るための簡単な祭壇です。
STEP2:打ち合わせ~納棺(葬儀の準備と故人との別れ)
ご安置後、本格的な葬儀の準備に入ります。この段階で、葬儀の内容が具体的に決まっていきます。
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葬儀の打ち合わせ
葬儀社と、葬儀の形式(家族葬、一般葬、一日葬、直葬など)、日程、場所、予算、故人の希望、遺族の意向などを詳しく話し合います。この打ち合わせで、葬儀全体の骨格が決まります。
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関係者への連絡(訃報)
葬儀の日程や場所が決まったら、親族、友人、職場など、訃報を伝えるべき範囲を決め、連絡します。連絡の手段(電話、メール、FAXなど)や文面についても葬儀社と相談できます。
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納棺(のうかん)
故人の体を清め(湯灌:ゆかん)、死装束(しにしょうぞく)を着せ、棺に納めます。故人が生前愛用していた品(燃えやすいもの)などを一緒に入れることもあります。この「納棺の儀」は、故人との最後のお別れのひとときであり、非常に大切な時間です。
STEP3:通夜(故人を偲ぶ夜)
通夜は、親族や故人と親しかった人々が集まり、故人を偲び、夜通し付き添う儀式です。現代では、夜通しではなく、数時間で終わる「半通夜」が一般的です。
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開式と読経
導師(僧侶)が入場し、開式を告げ、読経(どきょう)が行われます。故人の冥福を祈り、供養を行います。
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焼香と弔問
参列者が順番に焼香(しょうこう)を行います。故人のご冥福を祈り、遺族にお悔やみを伝えます。この際、香典(こうでん)を渡すのが一般的です。
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通夜振る舞い
通夜後、参列者に食事(通夜振る舞い)が振る舞われます。これは、故人を偲びながら、参列者同士が語り合う場でもあります。
STEP4:葬儀・告別式(最後の別れと出棺)
葬儀・告別式は、故人との最後の別れを告げる最も重要な儀式です。
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開式と読経・弔辞
導師による読経が行われ、故人を偲ぶ弔辞(ちょうじ)や弔電(ちょうでん)が奉読されます。
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焼香と最後の対面
参列者が焼香を行い、故人との最後の対面をします。棺の蓋を開け、故人の顔を見ながらお別れを告げ、花などを棺に納めることもあります。
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出棺(しゅっかん)
棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ向かいます。親族が棺を運び、参列者が合掌して見送ります。故人との物理的な別れの瞬間です。
STEP5:火葬~収骨(お骨上げと埋葬の準備)
火葬場で故人の遺体が火葬され、お骨を拾い上げます。
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火葬
火葬炉で故人の遺体が火葬されます。火葬には通常1~2時間程度かかります。この間、遺族は控室で待機します。
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収骨(しゅうこつ)/骨上げ(こつあげ)
火葬後、残されたお骨を骨壺に納めます。二人一組で箸を使い、故人の足元から順に骨を拾い上げていきます。これは、故人をあの世へ送るための大切な儀式とされています。
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帰骨
収骨後、骨壺は自宅へ持ち帰り、「後飾り祭壇(あとがざりさいだん)」に安置します。四十九日法要まで、自宅で供養するのが一般的です。
葬儀でよく聞く「専門用語」をわかりやすく解説
葬儀の場で耳にする、知っておくと役立つ専門用語をいくつかご紹介します。
ご逝去(ごせいきょ)
人が亡くなることの丁寧な言い方。
ご安置(ごあんち)
故人の遺体を、葬儀を行う場所や自宅に一時的に安置すること。
枕飾り(まくらかざり)
故人の枕元に置かれる祭壇のこと。線香立て、ろうそく立て、花などが置かれます。
湯灌(ゆかん)
故人の体を清め、旅立ちの準備をすること。専門の業者や葬儀社が行います。
納棺(のうかん)
故人の遺体を棺に納めること。
通夜(つや)
故人を偲び、夜通し付き添う儀式。現代では「半通夜」が一般的。
読経(どきょう)
僧侶がお経を読むこと。
焼香(しょうこう)
仏前で香を焚き、故人を供養する儀式。
弔問(ちょうもん)
故人の自宅や葬儀会場を訪れ、遺族にお悔やみを述べること。
香典(こうでん)
故人への供養の気持ちと、遺族の葬儀費用負担を軽減するために贈るお金。
弔電(ちょうでん)
葬儀に参列できない場合に、弔意を伝えるために送る電報。
喪主(もしゅ)
葬儀の主催者であり、遺族の代表者。
出棺(しゅっかん)
故人の棺を葬儀会場から火葬場へ運び出すこと。
収骨(しゅうこつ)/骨上げ(こつあげ)
火葬後、残されたお骨を骨壺に納めること。
精進落とし(しょうじんおとし)
葬儀でお世話になった方々(僧侶や参列者)への感謝を込めて振る舞う食事。
後飾り祭壇(あとがざりさいだん)
自宅に持ち帰った遺骨を安置するための仮の祭壇。四十九日法要まで設置されます。
まとめ:葬儀の流れを知ることは、故人への「思いやり」
ご逝去から火葬、そして骨上げまでの一連の流れを理解することは、決して「縁起でもない」ことではありません。むしろ、「もしも」の時に大切な家族を困らせないための、そしてあなた自身が安心して人生を全うするための、故人への深い「思いやり」の形なのです。
この記事が、あなたの葬儀に関する不安を解消し、いざという時にも落ち着いて対応できる一助となれば幸いです。事前準備を少しずつ進めて、後悔のないお見送りのために備えましょう。
