相続は「いつから」始まる?:初めてでも安心!遺産分割までの流れとスケジュールガイド

相続は「いつから」始まる? 役所関連の手続き

1. 相続はいつから始まる?~相続の開始を知る

1.1. 相続開始のタイミング:死亡の事実を知った時

相続は、被相続人(亡くなった方)が亡くなった時に開始します。正確には、被相続人の死亡の事実を知った時が相続開始のタイミングです。病院で死亡診断書を受け取った時や、ご自宅で亡くなられた場合など、状況は様々ですが、「死亡」という事実が相続のスタート地点となります。

1.2. 相続開始の場所:被相続人の最後の住所地

相続手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行うことが原則です。例えば、被相続人が生前、東京都世田谷区に住んでいた場合、相続に関する手続きは東京家庭裁判所で行うことになります。

1.3. 相続人とは?:誰が相続できるのか

相続人とは、被相続人の財産を受け継ぐことができる人のことです。法律で定められた相続人の範囲と順位があります。

1.3.1. 法定相続人の範囲と順位

  • 配偶者:常に相続人となります。
  • :配偶者と共に相続人となり、配偶者と子が複数いる場合は、法定相続分に応じて財産を分けます。
  • 直系尊属(父母、祖父母など):子がいない場合、配偶者と共に相続人となります。
  • 兄弟姉妹:子も直系尊属もいない場合、配偶者と共に相続人となります。

相続順位は、配偶者>子>直系尊属>兄弟姉妹の順で、上位の相続人がいる場合は、下位の相続人は相続人となりません。

1.3.2. 相続欠格・廃除とは?

相続人となるはずの人が、被相続人に対して重大な不正行為(殺害など)を行った場合、相続欠格となることがあります。また、被相続人が生前に、相続人となるはずの人が一定の条件に該当した場合に廃除する手続きを行うことも可能です。相続欠格や廃除に該当する場合、その人は相続人としての権利を失います。

2. 相続開始後の「やることリスト」:遺産分割までの流れとスケジュール

相続が開始したら、様々な手続きが必要になります。ここでは、遺産分割までの大まかな流れとスケジュールを解説します。

2.1. 死亡届の提出と火葬許可証の取得(7日以内)

被相続人が亡くなったことを知った日から7日以内に、市区町村役場に死亡届を提出する必要があります。死亡届を提出する際に、火葬許可証も交付されます。火葬許可証がないと、火葬を行うことができません。

2.2. 遺言書の有無の確認と検認手続き(必要に応じて)

被相続人が遺言書を残している場合、その内容に従って遺産分割が行われます。遺言書があるかどうかを確認し、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

2.2.1. 自筆証書遺言の場合:家庭裁判所での検認

自筆証書遺言は、遺言書情報証明書のない場合は家庭裁判所で検認を受けなければ、法的な効力を持つことができません。検認手続きは、遺言書の内容を相続人全員に明らかにし、偽造や変造を防ぐためのものです。

なお、秘密証書遺言も検認が必要です。

2.2.2. 公正証書遺言の場合:検認は不要

公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書であり、検認手続きは不要です。

2.3. 相続人の確定と相続財産の調査

遺産分割協議を行うためには、相続人を確定させる必要があります。被相続人の戸籍謄本等を取得し、法定相続人を確定させましょう。また、相続財産の調査も重要なステップです。不動産、預貯金、株式など、被相続人がどのような財産を持っていたのかを把握する必要があります。

2.3.1. 戸籍謄本等の収集による相続人の確定

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などを収集し、法定相続人を確定させます。

2.3.2. 不動産、預貯金、株式などの財産調査

不動産登記簿謄本、預貯金通帳、株式などの証券などを確認し、相続財産を調査します。

2.4. 相続放棄・限定承認の検討(3ヶ月以内)

被相続人の財産に、多額の借金が含まれている場合など、相続放棄限定承認を検討する必要があります。相続放棄・限定承認の手続きは、相続開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要があります。あまり時間がありませんので、急ぐ必要があります。

2.4.1. 相続放棄:プラス財産もマイナス財産も相続しない

相続放棄は、被相続人の財産を一切相続しないという選択です。プラス財産だけでなく、マイナス財産(借金など)も相続しません。

2.4.2. 限定承認:プラス財産の範囲内でマイナス財産を相続

限定承認は、相続した財産の範囲内で、被相続人の借金などを弁済するという選択です。

2.5. 遺産分割協議:話し合いによる遺産分け

相続人と相続財産が確定したら、遺産分割協議を行います。遺産分割協議とは、相続人全員で話し合い、誰がどの財産を相続するかを決めることです。

2.5.1. 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議の内容が決まったら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は、相続人全員が署名・捺印する必要があります。

2.5.2. 特別受益・寄与分の考慮

遺産分割協議では、特別受益寄与分も考慮されることがあります。特別受益とは、被相続人から生前に特別の贈与を受けていた相続人のことです。寄与分とは、被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をした相続人のことです。

2.6. 相続税申告・納付(10ヶ月以内)

相続財産の総額が、相続税の基礎控除額を超える場合、相続税を申告・納付する必要があります。相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日から10ヶ月以内です。

2.6.1. 相続税の計算と申告書の作成

相続税の計算は複雑なため、税理士に相談することをおすすめします。

2.6.2. 相続税の納付方法:現金納付、延納、物納

相続税は、原則として現金納付ですが、一定の要件を満たす場合は、延納物納も可能です。

2.7. 不動産の名義変更、預貯金の払い戻しなどの手続き

遺産分割協議で決まった内容に基づき、不動産の名義変更預貯金の払い戻しなどの手続きを行います。

3. 相続をスムーズに進めるための3つのポイント

相続手続きは複雑で、時間もかかります。ここでは、相続をスムーズに進めるための3つのポイントを紹介します。

3.1. 早めの準備:生前対策の重要性

相続は、いつ発生するかわかりません。生前対策を行うことで、相続発生後の手続きをスムーズに進めることができます。遺言書の作成、生前贈与、生命保険の活用などが、生前対策の具体的な方法です。

3.2. 専門家への相談:弁護士、税理士、司法書士

相続に関する手続きは、専門的な知識が必要となる場合があります。弁護士、税理士、司法書士などの専門家に相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。

3.3. 相続人同士のコミュニケーション:円満な解決のために

相続は、相続人同士の関係を悪化させる原因となることもあります。相続人同士でしっかりとコミュニケーションを取り、円満な解決を目指しましょう。

4. まとめ:相続は「いつから」始まる? 備えあれば憂いなし!

相続は、被相続人が亡くなった時から始まります。相続開始後の手続きは、煩雑で時間もかかりますが、早めの準備と専門家への相談で、スムーズに進めることができます。「備えあれば憂いなし」です。