「危篤」宣告前に知っておきたい‐家族がSOSを出すサインと兆候:医師が教える見分け方と心の準備

「危篤」宣告前に知っておきたい 危篤・臨終

1.「危篤」ってどんな状態?知っておくべき基礎知識

1.1. 「危篤」の定義と意味

「危篤」とは、病状が極めて深刻で、生命の危機が迫っている状態を指します。医師が「危篤」と判断した場合、それは「命の灯が消えかけている」という緊急事態を意味します。この言葉を聞くことは、家族にとって非常に辛いことですが、冷静に状況を把握し、適切な対応を取るために、まずは「危篤」の意味を正しく理解しましょう。

1.2. 病院からの連絡:緊急度を理解する

病院から「危篤」の連絡があった場合、それは一刻も早く病院へ駆けつけるべき状態であることを示しています。遠方に住んでいる家族や親族にも速やかに連絡を取り、集まれるよう手配しましょう。病院からの連絡は、単なる容態悪化の報告ではなく、文字通り「今、この瞬間を大切にしてほしい」というメッセージなのです。

1.3. 延命治療の選択:家族で話し合うべきこと

「危篤」状態になると、延命治療について医師から説明を受けることがあります。延命治療には、人工呼吸器の装着や栄養の投与など、様々な方法があります。どの治療を選択するかは、患者本人の意思を尊重し、家族で十分に話し合って決定する必要があります。もし、患者本人の意思が不明な場合は、過去の言動や価値観などを参考に、最善の選択を心がけましょう。

2.危篤のサインと兆候チェックリスト

2.1. 呼吸の変化:異常な呼吸パターンを見抜く

呼吸の変化は、危篤状態を示す重要なサインの一つです。普段の呼吸と異なる点があれば、注意深く観察しましょう。

2.1.1. チェーンストークス呼吸とは?

チェーンストークス呼吸とは、呼吸が徐々に深くなり、その後浅くなって、一時的に呼吸が止まるという周期的な呼吸パターンです。これは、脳機能の低下や心不全などが原因で起こることがあります。もし、このような呼吸が見られた場合は、すぐに医師や看護師に知らせましょう。

2.1.2. その他、注意すべき呼吸の変化

その他にも、呼吸が異常に速い、遅い、浅い、苦しそうなどの変化があれば、注意が必要です。特に、普段から呼吸器系の疾患を持っている場合は、容態が悪化している可能性が高いので、注意深く観察しましょう。

2.2. 意識レベルの低下:呼びかけへの反応と判断基準

意識レベルの低下も、危篤状態を示す重要なサインです。呼びかけに対する反応や、周囲の状況に対する認識度などを確認しましょう。

2.2.1. 意識レベルの段階:JCS(ジャパン・コーマ・スケール)とは?

意識レベルは、JCS(ジャパン・コーマ・スケール)と呼ばれる指標を用いて評価されます。JCSは、覚醒している状態を0とし、刺激に対する反応の程度によって1、2、3と段階分けされています。数値が大きいほど、意識レベルが低いことを意味します。医師や看護師がJCSを用いて評価している場合は、その結果を共有してもらえると、容態の変化を把握できます。

2.2.2. 意識がない時の声かけ:家族ができること

意識がない状態でも、聴覚は残っていることがあると言われています。家族の声かけは、患者にとって大きな心の支えになります。穏やかな声で、思い出話や感謝の気持ちを伝えてあげましょう。

2.3. バイタルサインの変動:血圧、脈拍、体温の変化

血圧、脈拍、体温などのバイタルサインの変動も、危篤状態を示すサインです。これらの数値は、生命維持に不可欠なものであり、異常な変動は、体の機能が低下していることを意味します。

2.3.1. 血圧低下:危機的な状態を示すサイン

血圧低下は、循環機能の低下を示し、危機的な状態であることを意味します。血圧が極端に低下すると、臓器への血流が滞り、機能不全を引き起こす可能性があります。

2.3.2. 脈拍の異常:速すぎ、遅すぎに注意

脈拍が異常に速い、または遅い場合も、注意が必要です。脈拍が速すぎる場合は、心臓に負担がかかっていることを示し、遅すぎる場合は、心機能の低下を示唆します。

2.4. その他の兆候:顔色、排泄、むくみなど

上記以外にも、顔色の変化(青白い、土気色)、排泄の異常(尿量の減少、便秘)、むくみなども、危篤状態を示す可能性があります。これらの兆候に気づいたら、すぐに医師や看護師に相談しましょう。

3.いざという時のために:心の準備と家族の役割

3.1. 医師とのコミュニケーション:積極的に質問しよう

医師は、患者の状態や治療方針について、詳しく説明する義務があります。分からないことや不安なことがあれば、遠慮せずに質問しましょう。医師の説明を理解し、納得した上で治療方針を決定することが大切です。

3.2. 家族への連絡:誰に、いつ、どのように伝えるか

「危篤」の連絡を受けた場合は、誰に、いつ、どのように伝えるかを、事前に決めておきましょう。親族や友人など、大切な人に速やかに連絡を取り、集まれるよう手配することが大切です。

3.3. 葬儀の準備:事前に考えておくこと

葬儀の準備は、非常にデリケートな問題ですが、事前に考えておくことで、いざという時に慌てずに対応できます。葬儀の形式や場所、費用などについて、家族で話し合っておきましょう。

3.4. 精神的なサポート:悲しみに寄り添う

「危篤」の連絡を受けた家族は、大きな悲しみと不安を感じています。支え合える家族がいれば、支えあい、悲しみに寄り添うことが大切です。ご自身の精神状況によっては、専門家のカウンセリングを受けることも検討してもよいでしょう。